雑念記~徒然なるままに毒舌

日々自分が考えたり感じたりしたことを徒然なるままに記し、己の思考の履歴を残していく。

転職童貞は捨てれるときに捨てておけ

転職は怖くない

転職バブルともよばれる昨今。

様々なところから今が転職の最後のチャンス!といわんばかりの勢いで様々な広告を目にする。

 

この記事は

転職を考えてるけど初めてだからよくわからない、こわい

みたいな転職童貞にむけて書く。

 

といっても転職にはここのエージェントを使えとか、職務経歴書はこう書いた方がいいなんてアドバイスはしないしできない。

話せる範囲で私の体験談を書き連ねるだけだ。

 

興味がないならここで戻ってください。

 

 

 

 

 

↓ここから

就職

ときは東日本大震災が発生した2011年から私の就職活動は始まった。おそらく2009~2012あたりにかけてはかなりの不況だったといえよう。あの当時は今みたいに意識高いSNSとかはあまり活用されてなくて、みんなだいたいリクナビマイナビに登録して企業に一括応募して片っ端から説明会やらSPIを受けるみたいな方法だった。

ひょっとしたら今も大多数はそうなのかもしれないけど。

 

とにかく「やりたいこと」とか「好きなこと」を第一に考えるより、まず就職先が決まるのかという不安は強くあった。

その不安ゆえに面接なんかでは過度に緊張したりして。

まあ無能な就職活動生だったわけだ。

 

無能なりに考えて私は自分が比較的得意なことを仕事にしようと思い、IT業界を中心に受けていた。

で無事に夏前に就職先を決めた。独立系のIT企業である。あっ…。

 

正直告白しちゃえばここしか内定とれなかったというのが大きな理由。

 

 

独立系IT企業

新卒で入社したこの会社は従業員数500人ほどの典型的な二次受け企業。

それなりにスキルある人もいるし、元請けも自社開発もあるにはあるがメインの収益はF通やH立が受注した案件に二次ないし三次くらいの商流にかじりついて、自分たちだけでできない場合はパートナー企業(※SIer業界にいた人ならこのパートナーという言葉にきっと何か感じ取ってくれるはず)にさらに流すといったスタイル、もしくは準委任等で適当なプロジェクトにねじこんでいくというのがほとんど。

 

要は人出しだね。ちなみにこの人出しはオンスケでトラブルなく遅延なく進むと会社の人間から怒られこそしないが白い目で見られる。本社にいる管理職層にとってはプロジェクトが炎上し、開発期間が延長。深夜勤や休日出勤等を理由に売上(ほぼ人件費)を回収できるほうが嬉しいのだ。こわいね、大人の世界って。

 

一度事業部の目標が大きく達成され、ボーナスが110%支給された年があったが、その裏では某巨大プロジェクトが炎上して、当時のメンバー全員が月間350hオーバーの稼働で乗り切っていたという。

 

私個人の話に戻ろう。私は最初に銀行の統合案件にアサインされた。金融機関というのはセキュリティに厳しいので、持ち帰りなどまずできない。客先常駐である。

 

そこで1年地獄を見た後、急遽本社に戻ることになった。受託案件で人が足りないとのことだった。このプロジェクトは3年くらいかかわった。

 

この時点で私は明確に転職を意識していた。実際この頃には同期数名が会社を辞めており、挙句後輩もバンバン辞めていっていたからである。

 

結局次の常駐案件の途中で転職先が決まり無事退職することができた。*1

 

転職してわかったこと

一つは企業なんてどこも大差はないということ。ある意味SESの企業にいて良かったことの一つだと私は思っている。なぜなら自社と客先という複数の企業文化を体感できたからだ。

一つの環境しか知らないと今自分が置かれている状況が良いものなのかそうでないのかといった相対的な評価が難しい。一般に転職に対する不安に「今より待遇が悪くなるんじゃないか」という考えはどうしてもよぎる。

 

だがよほどのドブラックな環境だったり法律に違反する行為でない以上、サラリーマンは上から言われたことを粛々とやるという一点が重要。そこにあまり大手や中小といった垣根は大きくない。

違いが出るのは一緒に働いている人間関係に起因することだろう。福利厚生も充実して給与も高い会社であっても同じ現場の人間から疎まれたり嫌がらせを受ければ鬱になるように。

そこは四季報やWEBサイト、あるいは会社見学等をしても見抜けるわけではない。まさに「入ってみないとわからない」領域であるために難しいのだが。

 

あともう一つは転職をすることによって何か自分に劇的な大きな変化が生まれるのではないかと思ってたけどいざ転職してみても何も変わることはなかった

転職にあたって引っ越ししたりということもなかったので、ぶっちゃけ入社して3ヶ月くらいは常駐先が変わったというくらいの感覚でしかなかった。

これもSES出身ならではの感覚かもしれない。

 

結局何が言いたいのかというと、転職は人生を変える決断だけど人生そのものは1回こっきりでは激変しない。だからあまり恐れる必要はないよということ。

S〇Xと同じである。経験する前はとんでもないことだと思ってたけど、実際やってみると「あれ、こんなもんか」みたいな感覚。

 

労働力の流動化が進むことで転職経験の有無は重要なファクターとなる。

転職経験がある人は確実に複数社から採用を受けたという実績になるからだ。信用実績を積み上げたということになる。

もちろん短期間で職種も業種も頻繁に変わっているような転職歴ではマイナスだが、例えば新卒で入社した会社に5年、2社目は専門スキルを活かした立場で3年、3社目はマネージャーとして2年という経歴の10年選手はそれなりに魅力的にうつるはずだ。

 

これが新卒で入社して部署異動はありながらも同じ会社で10年勤めただと、決してマイナス評価ではないが、採用する側からすると現在勤めている会社に最適化されていて自社に適応できるのかという不安や、スキル面もその企業内でしか通用しないスキルしか身についてないのではという不安をもつ。

(実際はどの企業も大差ないのだが、不思議と面接官はそういうことを気にする)

 

転職経験ゼロは将来に対するリスクとなりうることは頭の片隅にでもいれておきたい。

 

 

*1:この常駐先での出来事はあまりにプライベートなことなのでとても書けません。一言だけ言えるのはメンタルに関する問題ということだけです。